<測点設定> 



ローカル座標の利用


構造物にローカル座標を使ってみます。
ちょっと手抜きデータですが、役所から図-1のようなデータをもらったとします。

図-1

図-1


平面図に、トラバー点(座標)、擁壁位置が示されています。 擁壁背面の1T点を原点に延長方向をy軸に、横断方向をx軸にローカル座標を設定します。

図-2

図-2

図-3

図-3


表-1

表-1 1T点が擁壁の天端だとすると、擁壁天端の座標値は、施工に必要な点を2T~4Tとすると図-2、図-3を読んで表-1になります。



表-2

表-2 そして、擁壁の下端の座標値は、1B~4Bまで、表-2になります。



表-3

表-3 同様に擁壁の下端前、掘削の下面後ろは表-3になります。



表-4

表-4 そして掘削の切り出しですが、断面図で丁張りを掛けたい点を測り、その読みから表-4になります。私はこの点を複数作り、現場の状況で、丁張りを掛けやすい点を使っています。



図-4

図-4


表-5

表-5 次に正面左右の切り出し点は、擁壁天端中心に丁張りを掛けるとすると、図-4から表-5になります。



表-6

表-6 そして、トラバース点を図面から読むと表-6になります。(ローカル座標なので、頭にLを付けました。)



これらの点を光波に送れば、丁張り掛け、構造物の位置出しが出来ます。ということで、電卓を使わずに、図面を測るだけで、必要なポイントが作れてしまいます。
(ガブガブフルバージョンを使うと、断面図から座標値を取れるので、図面を測る必要はなくなります。)


次に、ローカル座標ではなく、公共座標で管理したい場合は、作ったローカル座標を公共座標に変換します。


これに、ガブガブの座標変換を使ってみます。
ここまでで作った座標値を、ガブガブを起動し、[ファイル][既存データファイルを開く]で開いてください。 ガブガブでは、座標値はガブガブのデータシートでしか扱えないので、座標値の形式が違っていた場合は、 [ファイル][データシート追加]でデータシートを追加し、 これまでに作ったローカル座標データを貼り付けてください。
そして、もう一枚データシートを追加し、役所からもらった、T1、T2座標を入力してください。(表-7)

表-7

表-7
※必ずローカル座標シートとは別のシートにしてください。

これで準備はできました。
まずデータシートはローカル座標シートを表示させておきます。
ここから[ファイル][座標変換]で座標変換フォームを表示させ、変換元の測点に“LT1”、“LT2”を入力します。 そして、変換目標値に“T1”、“T2”を入力します。(図-5)

図-5

図-5


ここで、測点間誤差を確認し、[変換実行]をクリックします。 これで、ローカル座標が公共座標に変換されます。(表-8)

表-8

表-8

※測点名は、ローカル座標と同じなので、どちらなのか注意して使ってください。


直線的な構造物とか、構造物間の相対位置が重要な場合等、ローカル座標を使うと便利な場合がよくあります。
トータルステーションは、複数現場を持てますので、使い分けていけば良いと思います。




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